子育てにつまずいたときに読んでほしいロングセラー本「子どもへのまなざし」

こんにちは!今日は子育て中のみなさんにおすすめの本を紹介します。

1998年に発行されてからずっと読み継がれているロングセラーなので、ご存知の方も多いかもしれません。

児童精神科医の佐々木正美さんが書かれた「子どもへのまなざし」です。

佐々木先生を知ったのは、愛読している雑誌「暮しの手帖」に連載されていた「母子の手帖」という記事からでした。毎号、一つのテーマに対して先生が丁寧に回答していくコーナーです。

いずれの記事も先生の優しい語り口で綴られ、読むだけで魅力的な人柄が伝わってきました。優しいだけでなく、的確で説得力のあるアドバイスの数々は、悩める母親の一人として何度読み返したことか分かりません。

そんなわけで、長女が歩き始めたころに何か一冊、子育ての指針になるような本をと思ったとき、真っ先に思い浮かんだのが佐々木先生の著書でした。

ハードカバーで321ページ、3㎝ほど厚みのある読み応えのある本ですが、佐々木先生特有の優しい文体で、まるでただお話を聞いているかのように苦労なく読み進めることができます。乳幼児期から幼児期にかけての子供へのかかわり方といったものが、先生の体験談なども交えて語られています。どの章も非常に興味深く、母親だけでなく、父親や保育者の在り方まで書かれており、子供に関わる全ての人にとって心に響く著書になっています。

中でも、私が好きな一文があります。

「いま、この瞬間を、幸せにしてあげよう、その積み重ねが、この子の幸せになるのだという育て方がいいのです。」(佐々木正美「子どもへのまなざし」)

いかがでしょう。この言葉、心に響きませんか?そしてこの一文からでも、先生のお人柄が伝わってきませんか?

私はこの言葉に何度もはっとさせられ、今でも事あるごとに反省させられています。子供に期待するあまり、口うるさくなったり、十分甘えさせたりしてあげられないということが往々にしてあるからです。とくに下の子が生まれてから、上の子に対してそうなってしまうことが増えました。

本当はただ子供の笑顔が見たいだけなのに。赤ちゃんのころはただそれだけを願っていたのに。

子どものためと思って口うるさく言うことが、子供の笑顔を、そして自分自身の笑顔を奪ってしまうことがよくあります。

叱りすぎてしまった、なんだか子育てがうまくいかない、そんな風に感じたときは、この本を開いて心を落ち着かせます。甘やかすのではなく、うまく甘えさせることのヒントがこの本にはあふれています。そして再び愛しい気持ちで子供と向き合うことができるのです。

もちろん、先生のように菩薩のような精神は持ち合わせておらず、日々子育てに奮闘することばかりなのですが、先生の考えに触れ、理想的な指針が手元にあるというだけで安心します。初心に立ち返ることができ、大丈夫、と思えます。

今の時代、子育ての悩みもネットで検索すればいくらでも回答がでてきます。とても便利で心強いですよね。でも、だからこそ、混乱してしまい、かえって疲れてしまうことはありませんか?

そんな人には何か一つ、これと思う本を見つけることをおすすめします。相棒となった本は、読み返すたびに感じ方が変わったり、新しい発見があったりするものです。

さらに、この本の挿絵がまたかわいいです。「ぐりとぐら」でおなじみの山脇百合子さんが書かれています。山脇さんの描くこどもや動物、小物のイラストが佐々木先生の優しい語り口によくあって、見た目にもいやし効果抜群です。


子どもへのまなざし (福音館の単行本) [ 佐々木正美 ]
価格:1870円(税込、送料無料) (2021/2/25時点)
楽天で購入

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA